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これまでの園長だより

8月6日に思う

今日は69回目の、広島原爆の日です。

大雨洪水警報のため、小学生の登校日も休校になり、学校で受けるはずの平和学習を受けられなくなった子ども達と、自宅のテレビで、平和記念式典を観ました。

全国的にもそうだという事ですが、広島市の小学生ですら、原爆投下の正確な日時を答えられなくなっているとか。

やはり時間の経過とともに、風化して行くものなのでしょうが、忘れて行く事により過ちを繰り返す事になってはいけません。

今朝のテレビで「8月6日は何の日?」という該当インタビューに答える母子がいたのですが、娘さんは「分かりません。」と答え、母親の方は「ハムの日?」と言っていて、愕然としました。


先日起こった戦慄の事件。佐世保市の同級生殺害事件などでも、様々な意見などがあります。やはり、子どもが被害者であり加害者にもなる事件というのは、とても心が痛く、一人の大人として母親として、そして保育園の園長としても考える所はあります。

被害者も加害者も、どちらもあどけない赤ちゃんだった。。。

それがどうして???

皆さん、その様に感じる事が沢山あると思います。


様々な意見の中には、残虐なテレビやアニメは排除すべきだとか、命の授業の在り方がいけないんではないかとか、あれがいけない、これはダメだと、子ども達の周囲から様々な『悪』につながる要素を、排除する方向にあります。

しかし、いくら子ども達も周囲から『悪』を排除しようとしても、必ず親の目・手から離れる時が来るものですし、子ども自らが興味を持ってしまえば、完全に排除する事は不可能な時代です。

ですから、まだ目や手が届くうちに、心を込めて伝えておく事が大切なのだと思います。


例えば一緒にテレビを見ている時、ふっと「この人、この前死んどったよね。」と末娘がつぶやきました。

確かに、先日別のドラマで、病気で無くなる役をされていた役者さんが、今日のテレビでは元気いっぱいに活躍しているのです。

子どもの目で見たら、もしかすると「死んでも生き返る!」という事実になるかもしれません。


昨年、長男が小学校で「はだしのゲン」の映画をクラス全員で観た際、原爆投下のシーンで目玉が落ちる映像に衝撃を受けていました。そして友人の一人が、それを観て笑っていた事に、ショックを受けていました。


そういうフッとした時に訪れる「いのちの授業」のタイミングを、親である私たちが見逃してはいけないのです。

「いのち」の事は、学校任せ、社会任せにせずに、親だからこそ大切な子ども達に伝えるべきだと思います。


目の前の我が子が、自分の手元に来てくれて、どれほど嬉しいのか。どれだけ愛しているのか。そして、世の中全ての「いのち」が、素晴らしくかけがえのない存在であることを、丁寧に伝える事が大切なのです。


テレビを観ながら「ドラマと現実は違うんだよ!」と、丁寧に解説するのです。

「はだしのゲン」は、アニメの中のフィクションではなく69年前に、私たちが住むここ広島で、現実に起こった事なのだと理解させるのです。

原爆は人間が作った平気である事も伝えるのです。

だからこそ、人間の手で排除する事も伝えるのです。

ハムの日だと思っている方々に、69年前の8月6日、8時15分に、人類史上初の原子爆弾が投下された日なんだと伝えるのです。


今は雨も止んでいます。

今夜、平和公園で、先日ファミリーコンサートを開いて下さった、福場良輔さんが平和への祈りを込めて「ピースオンザロード」を歌われます。私も何かしらのお手伝いに向かおうと思っています。

そして、灯ろうを流しながら、世界平和を祈ってきたいと思います。

皆さんも、今日は共に「平和」や「いのち」について、家族と語らってみませんか?