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これまでの園長だより

親の務め

さて今回は、少し厳し目のお話を書かせていただこうと思います。

私が人様の「親」にさせていただき、やっと7年半が経ちます(長女が7歳半なので)。まだまだ若輩者ですが、長女をお腹に宿した時から今に至るまで、またこれからもずーっとだと思いますが、子育てについて本当に色々と考えて来ました。

どう育てたらお友達と仲良く出来るんだろう?どう育てたら人に優しく出来るんだろう?どう育てたら自分の夢を自分で叶えられる子になるんだろう?どう育てたら、どう育てたら・・・?

そして初めて人の親になってから7年半の間に、4回出産し4人の子育てをし、保育園を開園して多くの子供たち・保護者の方々と接し、数多くの勉強会・セミナーに参加。もちろん書籍も山ほど読みました。とても濃い時間を過ごさせてもらいました。

その経験を通じて、本当に実感している事があります。それは、親の務めとして、「ある程度」はレールを敷いてあげることが大切だという事です!「ある程度」の目安としては、小学校卒業までくらいでしょうか。

よく「親の敷いたレールになんか乗っかりたくねぇ!」というドラマのセリフがありますが、中学・高校・大学・社会人へと、ずーっと過干渉でいけばそんなセリフも出てくるでしょう。ですが、小学生くらいまでは、どの方面に伸ばすのかを親が見抜き、決めてあげることは非常に大切です。何故かというと、子供たちの可能性は無限だからです。伸ばしようによっては、美術系・音楽系・体育系・学者系などなど、どんな方面へもどんどん伸びていける素質をもっているのです。ただ可能性が無限すぎて、子供自身に決めさせるのは酷なんです。

子育ての最大の目的は「自立」させること。それも、「人間的自立」と「経済的自立」両方が出来なければ、子育ては失敗と言わざるを得ないでしょう。要するに「社会人」として、一人前にしていくことです。

しかし今の時代、人間はかしこい頭で非常に便利な世の中を作り出しました。人間が働かなくても、機会が代用してくれることが多くなりました。その結果、本当に誰もやりたくないようなきつい労働か、機械には絶対にまかせられないような超一流の専門職しか、働く現場が無くなって来ています。ちょうど良い加減の、誰でも出来るような仕事は、賃金の安い外国に持っていかれています。今ですら、就職浪人があふれている時代です。私たちの子供が社会人になるころには、もっともっと過酷な労働条件しか残っていないかもしれません。

あなたは、自分の愛するお子様に、一番体力もありエネルギーみなぎる時間を、夢を叶えることが出来ない思いをさせたり、はたまた夢を持たせることも出来ず、社会から必要とされる喜びを味合わせることなく過ごさせたいでしょうか?ご自分の子供を心から愛している親御さんにとって、それは身を切るより辛いことだと思います。

目の前のお子様の可愛さに、酔いしれるだけではいけません。子供たちの可能性を「可能」にするために、親の務めは、この子の良さは何だろう?欠点はどこだろう?どこをどう伸ばせば、この子の天命を輝かせることができるだろう?を、真剣に探して見出す事です。

一昨年話題になった、盲目のピアニストの辻井伸之さんのお母様は、息子の耳の良さを伸ばし、世界一のピアニストに育て上げました。ゴルフ界の石川稜さんの親御さんは、ゴルフという大人の社会・大人のスポーツの世界に息子を送り出すために、言葉づかい・マナーを徹底して教え込んだそうです。

「別にうちの子には、世界一なんて望まない。普通でいいの。」という方がほとんどでしょう。ですがもう一度言います。今や「中流」「普通」「みんなと同じ」は、無くなって行っています。社会の流れを読み解きましょう。いわゆる「上流」か「下流」(こういう言い方はしたくありませんが、分かりやすく表現しています)という格差社会になっています。ですが、親の所得は関係ありませんよ。要はスタートが肝心なのです!答えは小学校以前の時期をどうすごすか?にあります。

昔は、地域社会全体で子供たちを見守り、育てて来ました。ですが今は、プライバシー保護・不審者情報・個人主義・利己主義、和から個へと変わりましたから、一番大切な人格形成の時期に学ぶ大切なことが学べずにいる子供たちが増えたのです。数多くの親御さんも、自分が育ってきた時と今は違う!ということを、しっかり認識しています。

だったら、何も考えない育児は止めましょう!日本人の大好きな「みんなと同じ」考えは止めましょう!ご自分の愛するお子様は、20年間私たちのもとに預けられました。社会にお返しするまでに、目の前のお子様の天命を見抜き、一流に育てることを目指しましょう。だって全ての子供たちは天才なんです。一流を目指して何が悪いでしょう。

ある程度路線を決めたら、次はその子がその路線を楽しみ、夢中になるための仕掛けを、必死に探すことです。それがYYの考えです。私はそのように理解しています。スパルタでは子供は伸びるどころか潰れてしまいますからね。

間違っても、愛するお子様は、お父さん・お母さんのアクセサリー・所有物ではありませんよ。「可愛いお子様ねー。しっかりしたお子様ねー。」と言われて、有頂天になりませんように。今の日本にいる168万人(正確にはまだ把握しきれていません)の引き籠った人々の6割は、30代以上という現実。くれぐれも保護者の皆様が50代を超え、わが子が30代を超えたときに、まだご自分の収入に頼られたりしていませんように・・・

気付いたときがスタートです。今が大切です!子供たちに大きな夢を持たせましょう!夢をかなえさせましょう!それが親の務めです。