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これまでの園長だより

ジャッジをする!

先日お越しいただいたご見学者さんとのお話と、最近の子ども達を見ていて気付かされた事を書かせて頂きます。

 

ちょうどその日は、みつばクラスさんが、屋上で遊んでいました。

その時、ふざけて少し危険な様子がありましたので、職員が園児を叱っていました。

その様子をご覧になられたご見学者さんは、「ここはきちんと叱ってくれるのですね~!」と感心して頂いたのですが、聞くとその方のご近所の園では、園の方針として子どもを叱らないとか。そして、その方針に、大変な疑問を持たれていたそうなのです。

私も、園長としてもですが母として、子どもを叱らないという方針を取っているというのは、大変な疑問を感じました。

 

様々な「育児書」と言われるものにも、『子ども達の自主性を尊重する!』であったり、 『1回叱ったら10褒めなさい!』であったり、『「~しなさい!」といった命令口調、「ダメ!」といった否定言葉は、使ってはいけない』というような事が、まことしやかに書かれています。

しかし、保育の現場で子ども達を見ている中や、小学校の行事や外出先などで、子ども達の自主性を尊重することにとらわれ過ぎて、傍目には「わがまま」な子どもさんだなぁと感じる場面があったり、自分が一番!になりすぎて、周囲から浮いていると感じるお子さまもいたり、他人に迷惑をかけている事を自覚出来ていないお子さまがいます。

確かに、子ども達の自主性こそ、子ども達のやる気スイッチですから、とても大切で、尊重してあげたい事です。

しかし、素晴らしい存在である子どもですが、子ども=経験が少ないので、まだ未熟であるという認識も忘れてはいけません。子どもですから、理性より感覚で生きています!

また、一度覚えた事や出来るようになった事も忘れますし、継続していないと出来なくもなります。語彙もまだ少なく、自分の言いたい事を正確に表現する力もありません。記憶もあいまいで、「昨日ね~」も、本当は半年前の出来事だったりする事も良くあります。

「我が子の言い分は、全て正しい!」と、信じる心も大切ですが、相手がいる場合は、様々な角度からの情報収集をしないと、真実に近づけない事もあります。

私達に、毎日感動を与えてくれ、心を奮い立たせてくれる素晴らしい宝物達ですが、まだまだ一人前ではありません。

だから、私達大人がいるのです。

 

私達大人の役目は、子ども達の行動に対してのジャッジをする事だと私は思います。

例えば、冷たいものの食べ過ぎでお腹をこわしている子どもが、それでも「ジュースが飲みたい!アイスが食べたい!」と言っていたとして(=自主性の主張)、それは尊重してあげなければいけませんか?

これは非常に分かりやすい例えです。何故かというと、健康面や安全面については、何よりも最優先しなければ、命の危険がある問題だからです。

 

では、情緒面や社会面の問題になるとどうでしょう。

これは、やはりご家庭の影響が非常に色濃く出て来ます。

そのご家庭が、「自主性」に重きを置いているのか、「社会性」に重きを置いているのかは、お子さんを見れば一目瞭然という場合もあります。

でも大半の方々は、どちらも上手にバランスを取ろうとしていらっしゃいます。

私自身も「自主性」も「社会性」も、どちらのバランスも大事だと思うので、日々、子ども達の取る行動や、投げかける課題に対して、迷いながら、悩みながらジャッジしています。でもそれでいいのだと思います。

本当は嫌だけど(←本音です)、大人は悩んで迷いましょう。子どもが主張する事だけで、ジャッジしてしまわないように気を付けましょう。

子どもは「〇〇したい!」と言っているけれど、健康的に考えてこれはいいのかな?

社会的に考えて、これはいいのかな?これで傷つくお友だちはいないかな?これで迷惑をかける人はいないかな?

 

私達も迷った時は、他の先生に相談します。即答して、間違えていると大変なので、「ちょっと待っててね!」と、子どもを待たせる場合もあります。

保護者の方々も、どうしても迷った場合は、ご夫婦で話し合われたり、職員に相談して頂いたり、お友だち同士で相談しあったりして下さい!そうやって、育児が上手になっていくことを信じて、一緒に顔晴りましょうね\(^o^)/