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これまでの園長だより

当事者意識の広さと狭さ

 全国的にも大きく取り沙汰されました、広島市の土砂災害から、早一カ月が経ちます。

梅林よつば保育園とそのだ動物病院では、NPO法人HUGという別の役割を立ち上げて二年が経っていましたので、このNPO法人を通じて、地域のお役にたてばとボランティア本部を立ち上げ、土砂の撤去作業とボランティアの方々に向けた炊き出しなどの活動を行って参りました。

おもにホームページとFACEBOOKなど、ネットを活用して呼びかけをさせて頂きましたが、先日のNPO及びNGO団体に向けた会議に出席しました稲田の報告によりますと、個人団体としてNPO法人HUGは一番の多くの活動人数だったそうです。

私達の呼びかけに応えてご参加頂いた皆様、心より感謝いたします。

今後はボランティアセンターさんを主軸とし、センターさんからの要請に応じて、また情報を発信させて頂くよう方針を改めさせて頂きます。


さて、このひと月の間、私は梅林よつば保育園の園長としてはもちろん、NPO法人HUGの主催者としての役割もあり、本当に様々な方々のお声を聞かせて頂くことが出来ました。

一番多かったのが「私に出来る事があれば、言って下さい!」というものでした。

ですから、NPO法人HUGという看板をせっかく持っているのだから、その様な方々に「出来る事!」のご提供をさせて頂くことが出来て本当に良かったと思っています。


ボランティアの方々とお話していると、皆さん「当事者意識」の高い方々だと分かります。

自分は被災していなくても

「大切な友人が困っているから!」

「地域の事だから、お手伝いをするします!」

「同じ広島市民として、放っておけない!」

「昔、住んでいた場所だから何とか手助けしたい!」

土地や人とのつながりで、「当事者意識」を持ち、「助けたい!!」「役に立ちたい!!」という気持ちを持って、スコップを担ぎ、泥まみれになって現地に入っていく方々がたくさんいらっしゃいました。

もちろん、土嚢撤去は難しいけれども、何かしらのお手伝いをしたいと言って、女性ならではの「炊き出し」に汗を流す方々も、たくさんいらっしゃいました。

全国からも、この保育園に充てて、オムツやお菓子の詰め合わせ、ボランティアさんへの炊き出しのため、ジャガイモ・人参・タマネギ・お米などなど、山ほど送って頂きましたし、NPO法人HUG宛てには、長靴やシャベル、土嚢袋、飲み物、マスク、軍手、消毒薬などなどを送って頂き、本当に助けて頂きました。

それこそ

「同じ日本人として、何か助けになりたい!」

「人として放っておけない!」

そんな広い意味での「当事者意識」が、皆さんを突き動かしているのでしょう。


ここからは、子育て中の母として、そして保育園の園長としての立場で書いていきます。

こういった「当事者意識」という気持ちが、これからの子育てには不可欠なのだと思います。

古き良き時代と言われた頃と現代の大きな違いは、人と人とのつながりの密度と広さです。

かつては、一人の子どもを育てるために、最低でも5人の大人達が関わっていたそうです。

しかし現代は、一人の子どもを育てるために、一人の親という構図になっています。

ネットの世界は拡がりましたが、一人一人の人間力は落ちました。

大家族主義から、自分の家族。。。はたまた個人主義へと、意識が変わっています。

しかし、人とのつながりが希薄になればなるほど、経済的に満たされ、戦争は起こらなくても、むなしさや絶望感は広く人々を取り巻き、うつ病・引きこもり・そして最悪は自殺へと心の病が社会を包んでいる様に感じられるのです。

ですが、今回の災害を受けて感じた「地域のために何かしたい!」「困っている方のために、役に立ちたい!!」そういう、個人から家族、家族から友人や地域といった意識の広がりが、命の絆の繋がりを、広く深くしていくのではないかと感じました。


私達の大切な子ども達に見せたいのは、そんな大人達の人としての力強い姿ではないでしょうか?

自分の父親が、私の母親が、地域のために活躍している。おじいさんやおばあさんから「ありがとうね。。。」と涙を流されて、感謝されている。

そんな姿を、物ごころが付く時に見ていた子ども達が、どこをどう間違えたら曲がって育つでしょう!

やはり様々な問題に、毅然として立ち向かい、世の中の役に立とうとする親の背中が、子ども達を健全に育てるのではないでしょうか?


昨日で終了したHUGのボランティア活動でしたが、終了時に皆さんより頂いた言葉が、本当に私の心を打ちました。

「私達にも出来る事をさせてもらえる場所を作ってもらえて、有難うございました!」

「家にいたら、ただ悶々としていました!」

「しんどかったけど、いい汗をかいて、心がすっきりしました!」


日曜日にママやパパと離れて、保育園で留守番をしていた子ども達も、窓の外から一生懸命頑張るパパやママの姿を見ていました!

「ママ、カッコいいね♪」

「パパ、凄いね♪」

子ども達の目は、それはそれはキラキラ輝いていました☆彡


梅林よつば保育園では、確かに「ヨコミネ式」を導入し、素晴らしい職員が一生懸命指導に励んでいます。

子ども達も、今まで出来なかった事が出来るようになり、努力する事を習慣にしていけるよう、時には涙し、時には達成感で満たされながら頑張っています!

ですが、やはり子ども達の人生にとって大切なのは「親」として、どの様な生き方をしているかではないでしょうか?

私は一人の母親として、そしてこの梅林よつば保育園の園長として、この一カ月間で「誰かのために、当事者意識を持って頑張る人達!!」を、いっぱい見て来ました。

そして確信しました。

やっぱりそういう方々は、素敵です!尊敬します!カッコいいです!

そういう方々と、ずっと一緒にいたいと思います。

これからも、子ども達のため、保護者の方々のため、職員のため、そして地域のために出来る事を模索し、行動するのみヽ(^。^)ノ

そんな園長と行動を共にして下さる方、どうぞこれからもよろしくお願い致します!!