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これまでの園長だより

絵本と唱歌のススメ

毎年、その一年の指針を得るためにも参加させて頂いている、日本経営教育研究所主催の「新春セミナー」!

全国各地の、私立園の園長先生や理事長先生のお話を聞きながら、改めて勉強になった事がたくさんありました。

中でも「ヨコミネ式」と言えば、読みに力を入れ、特に横峯先生の講演をお聴きになられた方や著書をご覧になられた方は、文字が読めるようになったら「読み聞かせはするべきではない!」と繰り返し唱えられていた事を覚えていらっしゃると思います。

しかし、今年の新春セミナーでご講演された、埼玉県の「しらさぎ幼稚園」の園長先生によりますと、絵本の読み聞かせは大変に子ども達に「落ち着き」と「集中力」をもたらすという事でした。

そんな画期的な変化も見受けられた、今年の日本経営教育研究所。

どちらの説も、取り入れるのは自分次第。

「読み聞かせをするべきではない!」でも「読み聞かせを積極的にする!」でも、どちらの説も聞いてみて、ご自分が納得する事を取り入れたらいいと思います。

今日は「読み聞かせがとても良い!」という園長先生のお話を書かせて頂きますね。


これからの時代で大切になる力の一つは「読む力」です。

読解力はもちろんですが、時代を「読む力」や、空気を「読む力」、先を「読む力」などです。

その「読む力」というのは、「感性」です。

この「感性」を磨く事は、とても大切な事です。

「感性」を磨くためには、様々な事や物や人に触れるという、体験が必要です。


特に触れさせたいのは、一流と言われる本物の芸術作品ですが、就学前の子どもを連れて、美術館を巡ったりコンサートに行くのは、中々難しいですよね。

ですが、ご家庭で手軽に触れさせてあげられるのが「絵本」であったり、日本人のDNAに刻まれた「唱歌」なのです。

世界中から教育の権威として目指されているのは、北欧の子育てであることはご存知かもしれませんが、ノルウェイやフィンランドなどでは、歯磨きをするのと同じように「絵本の読み聞かせ」が習慣となっているようです。しかもその役割を担うのは、9割方お父さんだそうです。

この「絵本の読み聞かせ」を行うと、どの様な子どもになるのかと言いますと、絵本と言う物語の世界に入り込みます。これが「集中」です。

出来るだけ「集中」が深く深く入り込めるように、しかけ絵本などオモチャ要素の強い物は、避けた方が良いです。

絵本を読み聞かせている間は、しっかりとその世界に入り込み、十分に「集中」する。そして「はい、おしまい!」または「めでたし、めでたし!」で終わった瞬間「緩和」する。

しかも、大好きなお父さんやお母さん、または先生に、面白い絵本の世界に連れて行ってもらえるのです!子ども達にとって、楽しい時間であることおは間違いありません。

また、絵本を読んでもらった「声」というのは、不思議と残っているものです。

私も、自分が5歳の時に、母の膝の上で「おねえさんといもうと」という美しい絵本を読んでもらった事は、今でも鮮明に覚えています!

さて、この「集中」と「緩和」が繰り返される事で、「集中力」が育って行くのです。

「集中」と「緩和」のコントロールが出来るようになった子どもは「落ち着き」ます。

そうすると、子育てもどんどん楽になっていきます。

落ち着きの無い子どもに、言う事を聞かせる事ほど難しい事は有りませんよね!

ですから、保育園でも、さらに絵本の読み聞かせに力を入れて行こうと思っています。

それから、絵本の選び方としては、長く愛されている物語であれば、出来るだけ原作に近い作品である事が大切です。

例えば「三匹の子ブタ」など、原作ではワラや木で家を作ったお兄さんは、オオカミに食べられてしまうのです。ですが、著者によっては、レンガのお家の弟の元に逃げ込むという内容に変わっています。

もちろん、幼児向けですから、血が出たり残虐なものを想像させる事は憚られるかもしれませんが、「手を抜くと徹底的に痛い目に会いますよ!」と言うメッセージがゆがめられては、絵本の価値が下がってしまいます。

また、そこに描かれている「絵」自体も、筆の運びや登場人物の表情などに注目をして、子ども達が初めて触れる芸術作品という観点で選んでみる事も必要です。

そんな中で、その園長先生がオススメされていたのは「福音館書店」の絵本達です。私自身も、福音館書店の絵本が大好きで、良く読んでいます。

実は福音館書店の絵本と言うのは、非常に時間をかけて1冊の絵本になっているそうです。

何と1年以上かかるそうですよ!凄いですね!!


それから「唱歌」についてですが、昨年出会わせて頂いた、シンガーソングライターの弓削田健介さんと、篠笛奏者として日本で第一人者であることちゃんお二人から、立て続いてオススメされていました。

弓削田健介さんは、ホスピスなどで、ゆっくりと自分の死と向き合う方々のリクエストを取りながらコンサートをされるそうです。

ホスピスに入所されている患者さんからのリクエストは、圧倒的に「唱歌」が多いそうです。それは、幼いころに母に教えてもらい、歌ってもらった歌達なのです。

「ふるさと」や「もみじ」や「冬景色」

日本の唱歌には、郷愁の思いと人とのつながりを、一瞬で思い起こさせる力があります。

つい最近、篠笛奏者のことちゃんが出したアルバム「謡(うたい)」は、篠笛で唱歌が24曲も入っています。

早速聞かせて頂きましたが、一曲一曲の編曲が素晴らしく、「夕焼け小焼け」などは涙が出てしまいました。

それを今、保育園でも流していますが、ある園児さんは「これ神様の曲?」と聞いてきたそうです。素晴らしい感性だなぁと感心しました。

子ども達の耳に残るだけでなく、心に残る歌を聞かせたい!

もし宜しければ、ご家庭でも「唱歌」を取り入れてみて下さい。

保育園では、声の美しいはいだしょうこさんやダ・カーポのCDを流したりしています。


小学校で求められるのは「落ち着いて人の話が聞ける事!」です。

「絵本の読み聞かせ」と「唱歌」で、よつばっ子達は小学校に上がった時に、立腰はもちろん「読み」「書き」「計算」が出来るだけでなく、落ち着いて人の話が聞けるという評判で、小学校の先生達をアッと驚かせてみせたいです(笑)

スパルタで落ち着かせるのではなく、子ども達の中に自然と芽生える落ち着いた時間を、職員共に作っていきたいと思います!